問題の背景

 三重大学医学部、産婦人科医局の医師激減に伴い、全県的な医師派遣の見直しがあり、2月末に東紀州地域の尾鷲総合病院、紀南病院の同科統廃合方針が示されました。そしてそれからわずか2ヶ月、4月末に紀南病院に統合するとの決定が下されました。

問題の背景

 全国的な産婦人科医の不足

 「日本産科婦人科学会によると、新人の医師約8000人のうち、産婦人科を目指すのは300−400人。その3分の2は不妊治療や婦人科を志し、お産などの周産期医療は100人程度にすぎない。人気のない理由は、過酷な勤務環境と医療訴訟とされる。厚生労働省研究班の調査では、病院勤務医の当直は、産婦人科が一ヶ月に4.7回と最多。産婦人科医は医師全体の約5%と少ないが、医療事故訴訟の約12%で当事者になっている」(東奥日報より・05年2月)

 「大学病院から産婦人科医の派遣を受けている全国の約1100病院のうち、2003年度以降に産婦人科が不在、今後ゼロになるのが確実視されている病院が、少なくとも117あることが日本産科婦人科学会の調査でわかった」(共同通信より・05年2月)

 医師不足の背景には、労働環境の厳しさのほか、平成16年度から導入された卒後臨床研修医制度などの影響があるといわれています。同制度は、医学部卒業生が自由に選択した病院で二年間の研修を積み、その後専門科を決定するもの。これによって研修医が都市部の設備の整った病院などへ流出することとなり、地方の医師不足を促している。

 
三重県の産婦人科医不足の状況

 三重大学産婦人科の医局ではこれまで50人ほどいた医師が、退職や開業、移籍などにより約40人となる見込み。卒後臨床研修医制度の導入により、今後一年間新任医師の補充も見込めず、系列各病院で産婦人科を運営することが厳しい状況となった。東紀州地域以外にも、桑名市民病院と鈴鹿回生病院も撤廃されることになっています。(伊勢新聞より抜粋・05年4月)

 
尾鷲総合、紀南両病院での産婦人科医、小児科医の過酷な労働条件

 尾鷲総合、紀南の両病院では、産婦人科は2人体制で年間220〜250ほどの出産に 対応してきた。二日に1回当直が入り、当直翌日も診察をこなす激務となっているという。同科の統合は、3人体制にすることで労働条件を改善し、研修中の新規の医師が同科を志しやすい環境を整える目的もある。

 また産婦人科以上に深刻な医師不足を抱える小児科は、両病院では一人体制。ほぼ365日拘束される状態で、2週間に一度、三重大学から交代医師が派遣されどうにか休暇を取れる状態という。小児科も常に撤退する可能性をはらんでいる。




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